エネミー作成ルール
マスターはシナリオで敵キャラクターを用意します。
原則、この敵キャラクターは通常のキャラクターとは一部異なるデータを持ち、異なるルールで運用されます。これを「エネミー形式のキャラクター」あるいは単に「エネミー」と呼びます。
マスターは、希望するなら、通常のキャラクターと同じ形式で敵キャラクターを作成し、運用しても構いません。これを「NPC形式のキャラクター」あるいは単に「NPC」と呼びます。複数の敵がいる場合、データ形式の異なるキャラクターを混在させても構いません。
以下は、エネミー形式のキャラクターの作成・運用ルールを解説します。
エネミーのデータ
エネミーは以下のデータを持ちます。
支配力 | 支配力はエネミーが場を掌握する力や反応速度などをあらわしています。支配力の値はイニシアチブ判定の達成値として用いられます。 |
---|---|
キャスト能力 | キャスト能力はプレイヤーキャラクターが持つものと同じですが、エネミーは、マスターの任意で、キャスト能力の値に「7」を足したものを固定達成値として用いることもできます。 |
ガード能力 | ガード能力はプレイヤーキャラクターが持つものと同じですが、エネミーは、マスターの任意で、ガード能力の値に「7」を足したものを固定達成値として用いることもできます。 |
脅威度 | 脅威度はエネミーの総合的な強さをあらわしています。エネミーがダメージを受けたとき、脅威度が1以上残っている場合は、ダメージのスロットを埋めるかわりに、脅威度を1減らします。脅威度の残数が実質的に、ダメージの追加スロットになります。 |
スロット数 | 通常、コンディションシートのスロット数は6ですが、弱い雑魚敵などのエネミーは5以下のスロット数を設定することもできます。その場合、少ないぶんのスロットはすでに埋まっているものとして扱います。埋まっているスロットを回復させることはできません。 |
レシピ数 | エネミーはキャラクター同様、レシピを習得し、さまざまな魔法効果を操ります。キャラクターは一律5個だったレシピですが、エネミーはそれより少ない場合や多い場合があります。また、エネミーにはエネミーだけが習得できる専用のレシピがあります。 |
エネミーの特別ルール
エネミーはデータとしてマナを持ちません。そのため、マナを消費する行動は行なえませんが、エネミー専用レシピによって、PCならマナを消費するような行動も無制限に使用できます。
エネミーの作成
エネミーを作成する場合、まず、強さの度合いをあらわすエネミーレベルを決めます。
イメージ | エネミーレベル |
---|---|
弱い雑魚敵 | 1~2 |
標準的な雑魚敵 | 3~4 |
ボスのサポート役 | 5~6 |
標準的なボス敵 | 7~8 |
強敵 | 9~10 |
エネミーレベルに応じて、次のガイドラインに従ってデータを作成してください。
エネミーレベル | 支配力 | キャスト能力・ガード能力 | スロット数 | 脅威度 | レシピ数 | |
---|---|---|---|---|---|---|
合計値 | 上限値 | |||||
1 | 3 | 2 | 1 | 1 | 0 | 2 |
2 | 4 | 2 | 1 | 2 | 0 | 2 |
3 | 5 | 3 | 2 | 3 | 0 | 3 |
4 | 6 | 4 | 3 | 4 | 0 | 3 |
5 | 7 | 5 | 4 | 5 | 0 | 4 |
6 | 8 | 6 | 5 | 6 | 1 | 4 |
7 | 9 | 7 | 6 | 6 | 2 | 5 |
8 | 10 | 8 | 7 | 6 | 3 | 5 |
9 | 11 | 9 | 8 | 6 | 4 | 6 |
10 | 12 | 10 | 9 | 6 | 5 | 6 |
敵グループの構成
3~4人のPCが参加する標準的なシナリオでは、次のような敵グループにすることをおすすめします。
- パターン1:標準的なボス敵×1、標準的な雑魚敵×2~3
- パターン2:標準的なボス敵×1、弱い雑魚敵×3~4
- パターン3:標準的なボス敵×1、ボスのサポート役×1、弱い雑魚敵×2~3
- パターン4:強敵×1
高レベルエネミーの作成
拡張ルールを導入した場合や、キャンペーンプレイなどの場合で、PCが相対的に強くなったときは、エネミーを強化したいと思う場合もあるでしょう。
ゲームマスターは望むなら、エネミーレベル10を超えるエネミーを作成しても構いません。
10レベルを超えるエネミーについては、支配力、キャスト能力・ガード能力、スロット数、脅威度は、10レベルと同等とします。レシピ数のみ、レベルが10を超えて1上がるごとに1つずつ増やしてください。つまり、12レベルのエネミーは8個までのレシピを持つことができます。