戦闘ルール
0 コンディション
戦闘は、参加者が互いの「コンディション」に影響を与え合う行為として定義されます。
すべてのキャラクターは「6列3行の表」である「コンディションシート」を持つものと考えます。
1行目は「ダメージ」で、負傷や疲労の度合いをあらわしています。各列は当初は空欄で、攻撃などを受けることで「ダメージ」によって埋まっていきます。
2行目は「カース」で、魔法によって不利な状態に置かれていることをあらわしています。各列は当初は空欄で、攻撃などを受けることで付与されたさまざまな「カース」で埋まっていきます。
3行目は「ブレス」で、魔法によって有利な状態に置かれていることをあらわしています。各列は当初は空欄で、魔法による支援などを受けることで付与されたさまざまな「ブレス」で埋まっていきます。
コンディションシートの列のことを「スロット」とも呼びます。スロットは通常、6つですが、マスターが用意する敵キャラクターの一部は5以下のスロットであることもあります(弱い雑魚敵など)。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
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ダメージ | ||||||
カース | ||||||
ブレス | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
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ダメージ | × | × | × | |||
カース | 【毒】 | |||||
ブレス | 【キャストアップ】 | 【キャストアップ】 | ||||
1 戦闘の流れ
戦闘は「ラウンド」というサイクルの繰り返しで行います。参加キャラクターは全員が原則1ラウンド1回ずつ行動します。
ラウンドは、以下のような流れになります。
(1)イニシアチブ判定によるラウンド行動順の決定
↓
(2)ラウンド行動順にもとづいた各自の行動
2 イニシアチブ判定
毎ラウンド、ラウンドの始まりに「イニシアチブ判定」を行ってキャラクターの行動順を決定します。
「イニシアチブ判定」は2D6を振り、出目をそのまま達成値とします。戦闘に参加する全員の達成値を比べて値が大きいキャラクターから行動していきます。
マスターが扱う敵キャラクターは、原則としてダイスロールを行わず、達成値を固定値で用意しておきます。複数の敵がいるときはそれぞれについて固定値を用意します。
同じ値になったとき、プレイヤーのキャラクター同士では、話し合って順番を決めてください。マスターのキャラクターとプレイヤーのキャラクターの間で同じ値になったときは再度ダイスを振り合うなどして、順番を決めます。
イニシアチブ判定にはマナ使用による振りなおしが可能です。
3 戦闘中の行動
戦闘シーンでは、キャラクターが以下の3種の行動のいずれかを行うことができます。これをラウンドアクションといいます。
- ・攻撃
- ・支援
- ・撤退
ラウンドアクションは1ラウンドに1人のキャラクターが、自分の手番に1回だけ行うことができます。なにも行動せずに、パスをしても構いません。
(1)攻撃
特定のキャラクターを目標に、ソーサリーを行使し、攻撃します。どのようなソーサリーなのか、演出は自由です。攻撃を行ったキャラクターは2D6のダイスロールを行い、キャスト能力の値を加算します。その結果がキャスト達成値です。
攻撃目標となったキャラクターは、2D6のダイスロールを行い、ガード能力の値を加算します。その結果がガード達成値です。
攻撃側のキャスト達成値と、防御側のガード達成値を比較します。キャスト達成値が、ガード達成値以上であれば攻撃が成功したことになります。キャスト達成値が、ガード達成値未満であれば攻撃が失敗したことになります。
(※マスターが扱うNPCは、処理の簡便化のために、ダイスロールを行わず、達成値が固定値になっていることがあります)
攻撃側のダイスロールがラッキー♪であった場合、達成値にかかわらず攻撃は成功します。ただし、防御側もラッキー♪だった場合は、通常通り達成値を比較して判定します。
攻撃側のダイスロールがファンブルであった場合、達成値にかかわらず攻撃は失敗します。ただし、防御側もファンブルだった場合は、通常通り達成値を比較して判定します。
攻撃が成功したとき、攻撃側の達成値から防御側の達成値を引いた数(差分)を「攻撃成功度」と呼びます。攻撃成功度は、より良い状態で攻撃を成功させたことをあらわす度合いです。攻撃が「ラッキー♪」によって成功した場合、攻撃成功度がマイナスになることがありますが、そのときは0であるとみなします。
攻撃が成功したら、攻撃側は攻撃効果を以下からひとつ選び、防御側にそれが適応されます。攻撃の効果は、次の5つのうちいずれかです。
ダメージ | 相手に攻撃を命中させ、打撃を与えたことを意味する攻撃効果です。対象のコンディションシートのダメージの行にある空欄のスロットをひとつつぶします。 |
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ブレスの消去 | 相手に攻撃を命中させ、相手がまとっている有利な魔法効果を消滅させたことを意味する攻撃効果です。対象のコンディションシートのブレス欄を埋めているブレスを1つ消すことができます。 |
カースの付与 | 相手に攻撃を命中させ、相手に不利を及ぼす魔法効果を与えたことを意味する攻撃効果です。自分がレシピとして習得しているカースを1種類選び、対象のコンディションシートのカースの行の空欄のスロットに、付与されたカースを書き込みます。※この効果を使うには、攻撃成功度が、付与したいカースの「強度」以上である必要があります。 |
リフレッシュ | 相手に攻撃を命中させて牽制し、得られた余裕で体勢を立て直したことを意味する攻撃効果です。自分のコンディションシートのカース欄を埋めているカースを1つ消すことができます。※この効果を使うには、攻撃成功度が、消去したいカースの「強度」以上である必要があります。攻撃ではなく支援を行えば攻撃成功度に関係なくカースの解除が行えます。この攻撃効果はブースト(後述)によって他の攻撃効果と組み合わせるか、マナが尽きて支援が行えない場合を想定しているものです。 |
自己ブレス | 相手に攻撃を命中させて牽制し、得られた余裕で自分に有利な魔法効果を得たことを意味する攻撃効果です。自分がレシピとして習得しているブレスを1種類選び、自分のコンディションシートのブレスの行のスロットに、付与されたブレスを書き込みます。このとき、もし6列すべてが埋まっていれば、すでに付与されているブレスのどれかを消して、その欄に書き込む(上書きする)ことができます。※この効果を使うには、攻撃成功度が、付与したいブレスの「強度」以上である必要があります。攻撃ではなく支援を行えば攻撃成功度に関係なくブレスの付与が行えます。この攻撃効果はブースト(後述)によって他の攻撃効果と組み合わせるか、マナが尽きて支援が行えない場合を想定しているものです。 |
(2)支援
敵にダメージを与えるのではなく、味方や自分を回復したり支援したりするソーサリーを行使します。どのようなソーサリーなのか、演出は自由です。
自分の行動順に、使用対象を宣言します。判定は行いません(必ず成功します)。
支援を行うとマナを1点消費します。自分以外の対象に支援を行う場合に限り、対象への「感情」をマナの代わりに使うこともできます。
支援の効果は、次の3つのうちいずれかです。支援を行った側が選べます。
ダメージの回復 | 対象のコンディションシートのダメージ欄を埋めているダメージを1つ消すことができます。 |
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カースの解除 | 対象のコンディションシートのカース欄を埋めているカースを1つ消すことができます。 |
ブレスの付与 | 自分がレシピとして習得しているブレスを1種類選び、対象のコンディションシートのブレスの行の空いている欄に、付与されたブレスを書き込みます。このとき、もし6列すべてが埋まっていれば、すでに付与されているブレスのどれかを消して、その欄に書き込む(上書きする)ことができます。 |
(3)撤退
戦闘から離脱し、撤退します。
プレイヤーはどのような手段で離脱するかを宣言します。合わせて、基本能力値のうち1つを、判定に使用する値として提案します。
マスターは提案されたエレメントを承認するか別のものを指定し、判定難易度を決定します。
プレイヤーは承認または指定されたエレメントを用いて判定を行います。この判定を撤退判定といいます。
判定に成功すれば、戦闘から離脱することができます。以後、この戦闘には関与することはできず、撤退した戦闘に再度、参加することはできません。
撤退判定に失敗したら、戦闘から離脱することはできません。次の手番以降に再度、試みることは可能です。
4 ダメージとノックダウン
もしも、戦闘中に、ダメージもしくはカースの行のスロットがすべて埋まっているところへ新たなダメージもしくはカース(スロットが6列の場合、7点目のダメージか、7つ目のカース)を受けてしまったら、そのキャラクターは「ノックダウン」状態となり、以後、この戦闘中は行動できません。ノックダウンしたキャラクターは、特にマスターから指示がなければ、「意識を失い、戦闘不能になった」と解釈します。
戦闘不能になったキャラクターは、戦闘終了後に適切な処置を受けると意識を回復します。すべてのダメージは戦闘終了後になくなります。カースとブレスもすべてなくなります。コンディションシートがリセットされると考えてください。
5 ラウンドアクション強化と特殊アクション
キャラクターはマナを消費することで、ラウンドアクションを強化したり、ラウンドアクションとは別に特殊なアクションを行ったりできます。
■ラウンドアクション強化
宣言タイミング | 自分が攻撃に成功したとき、または支援を行ったときに宣言します。 |
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効果 | 攻撃効果/支援効果をもう1つ適用することができます。本来の効果として選んだものと別のものを選ぶことも可能です。支援に対してブーストを行った場合、支援のコストとしてマナ消費1点があり、ブーストのコストとしてマナ消費1点があるため、合計2点の消費になることに注意してください。なお、ブーストとエキスパンドを同時に行うことはできません。 |
宣言タイミング | 自分が攻撃または支援を行うときに宣言します。 |
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効果 | 攻撃/支援の対象をもう1人増やすことができます。このとき、2点以上のマナを消費して、対象を3人以上に増やすこともできます。攻撃の対象を増やした場合、キャスト判定は1回だけ行い、対象は同じ達成値に対してそれぞれがガード判定を行います。攻撃効果/支援効果はすべての対象に対して同じものを適用しますが、カース付与は、達成値差が付与コストが足りていない対象には無効になります。支援に対してエキスパンドを行った場合、支援のコストとしてマナ消費1点があり、エキスパンドのコストとして対象増加数ぶんのマナ消費があります。このとき、対象が何人になっていても、支援そのもののマナ消費は1点ですみます(3人に対して支援を行った場合、支援コスト1点+エキスパンドコスト2点で3点の消費になります)。なお、ブーストとエキスパンドを同時に行うことはできません。 |
■特殊アクション
宣言タイミング | 仲間の誰かが攻撃され、ガードに失敗したときに宣言します。 |
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手番消費 | しない |
効果 | 仲間が受けた攻撃を代わりに受けることができます。このとき、カバーをする人はガード判定を行いますが、この判定は攻撃成功度を算出するために行うもので、ガード判定に成功しても攻撃は命中したとみなします(ガード判定に成功したら攻撃成功度は0とみなします)。攻撃効果はすべてカバーしたキャラクターに適用されます。カバーはラウンドアクションとはみなしません。カバーを行っても、自分の行動は行うことができ、マナを消費する限りカバーはラウンド中に何度でも行うことができます。範囲攻撃などを受けた場合、同時に複数の対象をカバーすることもできます。このとき、ガード判定は別々に行います。 ※このアクションは、マナの代わりに、対象となるキャラクターに対する感情を1つ消費することによっても行うことができます。 |
宣言タイミング | 仲間の誰かが攻撃を行い、成功したときに宣言します。 |
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手番消費 | する(そのため、自分が未行動のラウンドにしか行えません) |
効果 | 仲間の手番が終了した直後、行動順に関係なく即座に行動し、同じ対象を攻撃することができます。攻撃以外の行動は行えません。このとき、キャスト判定の達成値に+1することができます。 ※このアクションは、マナの代わりに、対象となるキャラクターに対する感情を1つ消費することによっても行うことができます。 |
宣言タイミング | 自分が敵の攻撃を受け、ガードに失敗したときに宣言します。 |
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手番消費 | する(そのため、自分が未行動のラウンドにしか行えません) |
効果 | 行動順に関係なく即座に相手を攻撃することができます。このとき、キャスト達成値に+1することができます。攻撃以外の行動は行えず、対象は直前に自分を攻撃した相手に限ります。 |
宣言タイミング | 自分がノックダウンされたときに宣言します。 |
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手番消費 | しない |
効果 | ノックダウンを取り消します。このアクションによってダメージやカースが回復することはありません(そのため、別に回復を行わなければ、再度、ダメージやカースを受けた際にノックダウンしてしまいます)。このアクションは1ラウンドに1回しか行えません。 |
6 その他のルール
戦闘シーンで使用できるリソース
マナ | マナはアクション強化、特殊アクション、支援、戦闘シーンで行う判定の振りなおしに使用できます。振りなおしは判定の結果が出てから宣言して構いません。振りなおしても成功/失敗が変わらなかった場合も、より良い出目のほうを採用することができます(攻撃成功度などに影響します)。 |
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感情 | 感情は、その対象になっているキャラクターへの支援、カバー、チェーンコンボに、マナの代わりとして使用できます。 |
ファクター | ファクターは、戦闘シーン(クライマックスフェイズ)では使用できません。 |
準備効果 | 準備効果は、ファクターの代わりとして使用できます。判定を行うとき、準備効果の内容を根拠として、この判定は成功しやすいはずだという主張を行い、マスターが認めれば、ダイスロールで振るダイスの数を1つ増やすことができます。ひとつの判定に対しては、一度に1つの準備効果しか使用できません。一度、使用した準備効果はファクター同様、再度の使用はできません。 |