セッション運営ルール

0 セッションの進行

1回のシナリオプレイをセッションと言います。

1セッションは4つのフェイズから構成され、順番に進行していきます。

  • ・オープニングフェイズ
  • ・メインフェイズ
  • ・クライマックスフェイズ
  • ・エンディングフェイズ

各フェイズは1つ以上のシーンからなります。1つのシーンは、原則、1つの場面をあらわしています。

シーンごとにそのシーンの中心になるプレイヤーキャラクターが指定されます。このキャラクターをシーンキャラクターと呼びます。シーンキャラクターは必ず登場しますが、それ以外のキャラクターが登場するかは任意です。マスターは、シーンキャラクター以外の登場を制限しても構いません。

シーンキャラクターが指定されないシーンはマスターシーンと呼ばれます。


1 オープニングフェイズ

オープニングフェイズは、キャラクターたちが事件にかかわる、物語のはじまりを描くパートです。

オープニングフェイズは以下のような流れになります。

  • ・夢シーン(×1シーン)
  • ・導入シーン(×参加キャラクター数)

(1)夢シーン

夢シーンは、オープニングフェイズの最初に行われる予言の夢の情景をあらわすシーンです。夢シーンはマスターシーンになります。

夢シーンでは、遠くない未来に起きる、犠牲者がナイトワンズによって被害を受ける(ほとんどの場合殺害される)情景が描写されます。この事件を阻止することが今回のシナリオの目的となります。

(2)導入シーン

導入シーンは、参加キャラクターそれぞれが、夢シーンで描写された事件の阻止にどのようにしてかかわったかを演出していきます。全員がそれぞれシーンキャラクターとなるシーンを順番に行なっていきます。順番は任意です。内容は自由ですが、導入シチュエーション表と導入トリガー表を使っても構いません(使わなくても構いません)。

■導入シチュエーション表(事件にかかわる直前の状況)
【幸福】 あなたにとても幸福・幸運な出来事があり、大変気分が良い。
【平穏】 あなたは日常の中にいる。平穏な日々だ。
【生業】 あなたはあなたの生業に従事していて、多忙である。
【闘争】 あなたは闘争の中にいる。気を抜けるのはほんのひと時だけだ。
【困難】 あなたは何らかのトラブルに見舞われ、困難な状況に直面している。
【不調】 あなたは体調が悪いか感情的に落ち込んでいる。
■導入トリガー表(事件にかかわるきっかけ)
【夢に誘われて】 あなたは予言の夢を見た。近いうちに現実になる惨劇の予兆に、メイガスとして抗わなくてはならない、という思いが湧いてくる。
【依頼を受けて】 あなたはピロートーカーないしメイガス組織から予言の夢の情報を得た。あなたに事件の解決が依頼される。
【縁があって】 あなたの知る誰かがこの件にかかわろうとしている。あなたのその誰かに協力するか、なんらかの縁があってともに事件にかかわる。
【狩りのために】 あなたは一体でも多くのナイトワンズを狩りたいと思っている。事件の情報を耳にしたあなたはこの件を獲物に選ぶことにした。
【強制されて】 あなたは誰かに借りがあるか、弱みを握られている。それがもとで、否応なくこの件を解決しなくてはならなくなった。
【目的のために】 あなたにはある目的がある。この事件にかかわることで、目的の達成に近づきそうだとあなたは考えた。

導入シーンが全員ぶん終わったら、オープニングフェイズは終了し、メインフェイズへ移行します。そのまえに、全員が一堂に集合するマスターシーンを入れても構いません。


2 メインフェイズ

メインフェイズは、キャラクターたちが予言の夢で見た事件を阻止すべく行動を行うさまを描くパートです。

メインフェイズのはじまりに、マスターは「調査項目」の一覧を提示します。調査項目とは、事件の阻止のためにキャラクターたちが集めておかなくてはならない情報のことです。

メインフェイズは、「ターン」という区切りで進行します。1ターンには、参加キャラクターが行動するシーンが1回ずつ含まれます。全員が1回ずつ行動を終えると1つのターンが終了します。ターンを何回繰り返すかはシナリオごとに決まっています。これをリミットと言います。

各ターン内のシーンの順番は任意です。ターンごとに順番が変わっても構いません。シーンは必ず全員が1ターンに1シーン行います。

途中で、マスターの任意でマスターシーンが挿入されることもあります(行われないこともあります)。

メインフェイズの各シーンでは、シーンキャラクターが以下の4種の行動のいずれかを行うことができます。これをターンアクションといいます。

  • ・調査
  • ・交流
  • ・準備
  • ・自由行動

ターンアクションは1ターンに1人のキャラクターが、自分のシーンに1回だけ行うことができます。

(1)ターンアクション:調査

予言の夢で予告された事件を阻止するために情報を集めます。事件現場を特定する、犠牲者となる人物の行動を見張るといった内容です。

プレイヤーはマスターから提示されている「調査項目」の中から1つを選んで、それについてどのように調べるか、どんな行動をとるのかを宣言します。合わせて、基本能力値のうち1つを、判定に使用する値として提案します。

調査方法(エレメント)は自由に宣言して構いませんが、以下の調査方法表から選んだり、ダイスでランダムに決めても構いません。後述の「汎用シーン表」と組み合わせてもいいでしょう。

■調査方法表(ダイスを2個振る)
ダイス1ダイス2調査方法判定値
1~3 1~3 地道に歩き回り、足で調べる。
自身の容姿を利用した聞き込み(ナンパや脅迫など)。
直感や夢からヒントを得る。
4~6 文献やネットから情報を探す。
自身の知識や記憶から情報を得る。
魔法的な手段(占いなど)で情報を得る。
4~6 1~3 現場の痕跡を分析する。
職業的な立場を利用して情報を得る。
アイテムや使い魔を利用する。
4~6 たまたま詳しい人を知っているので話を聞く。
世間話や街のうわさからヒントを得る。
社会的な立場や資産を利用して情報を得る。

マスターは提案されたエレメントを承認するか別のものを指定し、判定難易度を決定します。

プレイヤーは承認または指定されたエレメントを用いて判定を行います。この判定を調査判定といいます。

判定に成功すれば、指定していた調査項目に隠されていた「情報」が開示されます。これを「情報を獲得した」といいます。情報は原則として参加者全員で共有します(誰かが獲得した情報は、他のキャラクターも獲得したとみなします)。現在、どの情報が獲得済みなのかは管理するようにしてください。

情報を獲得したとき、それが条件となって、新たな調査項目が追加されることもあります。

調査判定の前後に、シーンキャラクターのプレイヤーが中心になって、そのシーンの演出を行います。判定結果を踏まえて、どういう場面だったのか、物語をつくるということです。マスターと他のプレイヤーも協力しましょう。

提案された調査方法と、獲得した情報のつながりが不明(その方法で、その情報が得られるとは思えない場合)でも、調査判定に成功すれば、情報は獲得できます。つながりは演出してください。ただし、マスターは、方法があまりにとっぴだと思えば、判定の難易度を上げることはできます。

調査を行うシーンに他のキャラクターが登場しても構いませんが、調査判定を行えるのはシーンキャラクターだけです。演出としてキャラクターが協力したり、情報を獲得したのは他のキャラクターだとすることは可能です。

あるキャラクターが調査判定に失敗した調査項目について、別のキャラクターが調査を行ったり、一度失敗したキャラクターが別の手番に再度調査を行うことは可能です。

(2)ターンアクション:交流

キャラクター同士が交流したり、関係性を深めたりする場面を描きます。

プレイヤーは他のキャラクターを1人選び、シーンキャラクターである自分のキャラクターと、選んだ他のキャラクターが登場するシーンの内容を提案してください。合わせて、基本能力値のうち1つを、判定に使用する値として提案します。対象に選ばれたキャラクターは内容に意見したり、拒否することができます。

以下の交流シーン表から選ぶか、ダイスでランダムに決めても構いません。後述の「汎用シーン表」と組み合わせてもいいでしょう。

■交流シーン表(ダイスを2個振る)
ダイス1ダイス2シーン内容判定値
1~3 1~3 相手の外見・容貌に関心をもつ。
相手と出会いがしらにぶつかる。
偶然、共通の知人から相手のことを聞く。
4~6 相手との過去の接触を思い出す(回想シーン)。
相手からなにか知識や情報を教えてもらおうとする。
相手に自分の感情を打ち明ける。
4~6 1~3 直感的に相手のことでなにか気づく。
相手と一緒に何かしようとする。
相手を「○○させたい」と思った。
4~6 他愛もない世間話をする。
相手になにかを渡す・贈る。
自分の職場で相手と出会う。

マスターを含めて内容に合意がとれれば、マスターは提案されたエレメントを承認するか別のものを指定し、判定難易度を決定します。

プレイヤーは承認または指定されたエレメントを用いて判定を行います。この判定を交流判定といいます。

判定に成功すれば、シーンキャラクターと対象のキャラクターはともに、お互いに対して「感情」を獲得します。「感情」はキャラクター間のつながりをあらわすもので、内容はどのように解釈してもかまいません。キャラクターシートの「感情」の欄に、対象となったキャラクターの名前を記入することで、感情を獲得していることを記録します。

感情は、クライマックスフェイズの戦闘シーンで、対象となるキャラクターをカバーしたり連携したりする際のコストとしてマナの代わりに使用できます。感情の内容をどう解釈していたとしても、使用方法に変化はありません。

交流を複数回行うことで同じキャラクターに対して複数個の感情を持つことができます。

交流判定の前後に、シーンキャラクターのプレイヤーが中心になって、そのシーンの演出を行います。判定結果を踏まえて、どういう場面だったのか、物語をつくるということです。マスターと他のプレイヤーも協力しましょう。

交流判定を行うのはシーンキャラクターだけですが、感情は相手方も獲得できます。対象となった相手方はシーンキャラクターが判定に成功すれば判定を行わずにシーンキャラクターへの感情を獲得できます。

(3)ターンアクション:準備

予言された来たるべき事件の状況に対して、準備を行います。敵の特性を踏まえた訓練を行ったり、作戦を立てたりといった行動です。

プレイヤーはどのような準備を行うか、どんな行動をとるのかを宣言します。合わせて、基本能力値のうち1つを、判定に使用する値として提案します。以下の準備行動表から選ぶか、ダイスでランダムに決めても構いません。後述の「汎用シーン表」と組み合わせてもいいでしょう。

■準備行動表(ダイスを2個振る)
ダイス1ダイス2行動内容獲得する準備効果判定値
1~3 1~3 現場の地形を把握する。【地形の把握】
戦いに備えてトレーニングする。【鍛錬の成果】
敵を倒すべく闘志を燃やす。【不屈の闘志】
4~6 過去の失敗や敗北を思い出す(回想シーン)。【必勝の誓い】
敵の弱点を調べる。【弱点を知る】
敵に効果的な術式を研究する。【必殺の秘術】
4~6 1~3 敵が苦手なアイテムを調達する。【切り札の準備】
敵に対する罠を仕掛けておく。【周到な罠】
敵の死角を突く攻撃方法を訓練する。【必中のポイント】
4~6 同種の敵と戦った経験者に話を聞く。【貴重な経験談】
仲間と話し合い作戦を立てる。【勝利への作戦】
休息して英気を養う。【十全な余裕】

マスターは提案されたエレメントを承認するか別のものを指定し、判定難易度を決定します。

プレイヤーは承認または指定されたエレメントを用いて判定を行います。この判定を準備判定といいます。

判定に成功すれば、キャラクターは「準備効果」を1つ獲得します。キャラクターシートの「準備」の欄に獲得している「準備効果」を記録します。「準備効果」の具体的な内容はどんなものでも構いませんし、上記の準備行動表にあるものから選んでもいいでしょう。

準備効果は、クライマックスフェイズの戦闘シーンで、ファクターの代わりに使用できます。

準備の行動を複数回行うことで複数個の準備効果を持つことができます。

準備判定の前後に、シーンキャラクターのプレイヤーが中心になって、そのシーンの演出を行います。判定結果を踏まえて、どういう場面だったのか、物語をつくるということです。マスターと他のプレイヤーも協力しましょう。

準備を行うシーンに他のキャラクターが登場しても構いませんが、準備判定を行い、準備効果を獲得できるのはシーンキャラクターだけです。

(4)ターンアクション:自由行動

他のターンアクションのいずれにもあてはまらない場面を描きます。

プレイヤーはキャラクターのファクターを1つ指定します。自由行動シーンは、原則、キャラクターのファクターを踏まえた場面となります。プレイヤーはどんな場面にしたいのか、どんな行動をとるのかを宣言します。他のキャラクターの登場を要請しても構いません。選ばれたキャラクターは内容に意見したり、拒否しても構いません。

マスターは提案された内容を承認するか意見するかします。全員の合意がとれれば自由行動シーンは成立します。シーンキャラクターのプレイヤーが中心になって、そのシーンの演出を行います。どういう場面だったのか、物語をつくるということです。マスターと他のプレイヤーも協力しましょう。

自由行動では特に判定は行いません。

自由行動を行ったシーンキャラクターは、マナを1点獲得します。

※シーン中のシーンキャラクター以外の行動

シーン中には、シーンキャラクター以外のキャラクターも自由に行動し、演出に参加して構いません。ただしシーンそのものの趣旨や状況が大きく変わってしまうようなことは配慮しましょう。

シーンアクションの判定を行い、情報獲得などの結果が出せるのはシーンキャラクターだけですが、それ以外のキャラクターも行動に応じた判定を行っても構いません。これはプレイヤーから提案してもいいですし、マスターが指示しても構いません。ファクターやマナの使用も可能です。

その結果は、ターンアクションの結果(情報・準備行動・感情の獲得)にはなりませんが、マスターからちょっとしたヒントなどを与えても構わないでしょう。

※汎用シーン表

各シーンがどんな場面なのかはシーンキャラクターのプレイヤーが提案しますが、思いつかないときなどに以下の汎用シーン表を使っても構いません。

■汎用シーン表(2D6)
【夢】 あなたは夢を見ている。
【荒天】 雨、風、あるいは雪。天候が崩れている。
【自室】 あなたの自宅ないし拠点となる勝手知ったる場所。
【平穏】 穏やかで落ち着いた時間が流れている。
【夜景】 夜の街。電灯の下、人々は闇を駆逐した気でいる。
【雑踏】 大勢の人々が行きかう場所なら、なんでもあるだろう。
【都市の陰】 路地裏や地下、裏社会……都市は陰の面を持つ。
【メイガス】 メイガスはメイガスだけが知る場所や人脈がある。
10 【自然】 緑や水辺。街中でも自然はある。街を離れれば、なお。
11 【ネットワーク】 電子的ネットワークの中に、情報はあふれている。
12 【過去】 それは過去の追憶。

3 クライマックスフェイズ

クライマックスフェイズは、予言された事件を阻止できるかどうか、出現したナイトワンズを倒せるかどうかという決定的な場面を描きます。

クライマックスフェイズは以下のような流れになります。

  • ・阻止シーン(×1シーン)
  • ・戦闘シーン(×1シーン)

(1)阻止シーン

阻止シーンでは、オープニングフェイズの夢シーンで描写された場面にキャラクターたちが介入する場面を描きます。阻止シーンでは、阻止がかなったかどうか、阻止判定という判定を行います。

参加キャラクター全員が、2D6を振り、メインフェイズで獲得した情報の数を足します。これが達成値になります。阻止判定ではエレメントは加算しません。この判定にはファクターも準備効果を使用することはできません。マナによって振り直すことはできます。

阻止判定の達成値が、あらかじめシナリオごとに決められている阻止難易度以上であれば、判定は成功です。

誰か1人でも阻止判定に成功すれば、キャラクターの介入が間に合い、夢シーンで描写されたような出来事は起こらず、犠牲者は存命のまま救出されます。

全員が阻止判定に失敗した場合、夢シーンの出来事を妨げられなかったことになります。犠牲者は死亡します。

阻止判定の前後に、マスターとプレイヤーは協力してそのシーンの演出を行います。判定結果を踏まえて、どういう場面だったのか、物語をつくるということです。

全員の阻止判定が終われば、阻止シーンは終了し、戦闘シーンへ移行します。

※必須情報
メインフェイズで獲得できる情報の中で、阻止のためにどうしても必要な情報を必須情報と言います。もし、メインフェイズで獲得した中に必須情報が含まれていなかった場合、阻止判定は自動的に失敗となります。

※無効情報
メインフェイズで獲得できる情報の中で、阻止のために特に有益でない情報を無効情報と言います。もし、メインフェイズで獲得した中に無効情報が含まれていた場合、その数は阻止判定の修正には使用しません。

(2)戦闘シーン

戦闘シーンはナイトワンズとの決戦の場面を描きます。阻止判定の成功・失敗に関係なく、戦闘シーンは行われます。

戦闘シーンは1つのシーンを、ラウンドという単位で区切って進行させます。戦闘シーンは戦闘ルールにのっとります。詳しくは戦闘ルールの解説を確認してください。

戦闘シーンの結果、敵をすべてノックアウトするか、キャラクターが全員ノックアウトされるか、撤退するかして戦闘が継続されなくなれば戦闘シーンは終了します。

戦闘シーンが終了するとエンディングフェイズへ移行します。


4 エンディングフェイズ

エンディングフェイズでは、物語の結末が描かれます。

エンディングフェイズはマスターシーンを、好きなだけ行います。

ここまでの流れを踏まえて、マスターとプレイヤーは協力してシーンの演出を行いましょう。

  • ・戦いを終えての、それぞれの行動や心情
  • ・救出した犠牲者との交流
  • ・それぞれの日常への回帰

などが適切な内容です。


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