拡張ルール:プライズ(キャンペーン用ルール)

キャラクターの経験と成長を表現するためのルールを紹介します。

このルールはキャンペーンプレイを想定していますが、単発のシナリオに用いても問題ありません。

 

プライズの獲得

キャラクターは1つのシナリオが終了したら、「プライズ」が獲得できる可能性があります。

プライズとは、「キャラクターがそのシナリオを経験したことで得たもの」を総合的にあらわす概念です。実際にどういうものであるかは、ルール上のプライズ種別と、プレイヤーおよびゲームマスターの演出によって決まります。

マスターは、シナリオの状況や、シナリオ中の当該キャラクターの行動によって、プライズの獲得条件・獲得数を変化させても構いません。シナリオが終了すれば一律に各自1つずつ、としてもいいですし、依頼を果たせなかったので獲得なし、としたり、素晴らしい成功だったので2つ獲得できた、とするなどです。

プライズが獲得できたら、プレイヤーは下記のプライズ一覧から、1種類(または所定の数)を選んで、そのプライズを獲得します。

獲得したプライズはそのキャラクターが所有するものとして、プレイヤーが記録・管理します。所有するプライズが多いキャラクターは、それだけ数多くの経験を経てきたヴェテランである、ということになります。

 

プライズの持ち込み

ゲームマスターは、セッションを運営するにあたって、そのシナリオへの「持ち込み可能プライズ数」を決めます。

参加キャラクターは自身が所有するプライズの中から、持ち込み可能プライズ数を上限とした数のプライズを選んでシナリオに持ち込みます。プライズはシナリオに持ち込まれることによってキャラクターに有利な効果である「プライズ効果」が発揮されるため、プライズ所有数が多いキャラクターはそれだけ有利に立ち回れる可能性があります。これは、経験の豊富なメイガスほど、強者であるということを表現しています。

ただし、ゲーム的に、キャラクター間の差が開きすぎないよう、持ち込み可能プライズ数を定めることで調整ができます。持ち込み可能プライズ数が少ないほど、キャラクター間の差は開きません。

 

プライズ一覧

●練度
内容 経験によってメイガスとして成長し、より強大な魔力を身につけたことをあらわします。
プライズ効果 シナリオ開始時に、練度を持ち込んだ数だけ余分のマナを獲得します。練度を2個持ち込んだキャラクターは5点+2点=7点のマナを持ってスタートできるということです。
このマナをシナリオ中で消費したとしても、練度は失われません。
●魔術知識
内容 経験によってメイガスとして成長し、より幅広い術式や魔法の知識を身につけたことをあらわします。獲得時に、レシピを1つ指定してください。すでに魔術知識として獲得しているレシピは指定できません。
プライズ効果 持ち込んだ魔術知識は、それが指定するレシピをそのまま習得しているレシピとして扱います。つまり6つ目以降のレシピとして使用できるわけです。
このレシピをシナリオ中で使用したとしても、魔術知識は失われません。
●マジックアイテム
内容 報酬として受け取った、シナリオ中に入手した、倒したナイトワンズの部位を加工したなどの理由でマジックアイテムを得たことをあらわします。獲得時にどのようなアイテムなのか、マジックアイテムのルールにもとづいて決定してください。プレイヤーの希望や意見をもとにマスターが決定します。
プライズ効果 持ち込んだマジックアイテムはそのままアイテムとしてシナリオ中で使用できます。
消費型のアイテムを使用したり、なんらかの事情でアイテムが失われた場合、プライズとしてのマジックアイテムも失われます。
●財産
内容 報酬として金銭的な収入を得たことをあらわします。
プライズ効果 シナリオ中にターンアクション「調達」「回復」を行う際、持ち込んだ財産を消費することで、ターンアクションを無条件に成功させることができます。ただし、ゲームマスターは、シナリオ内の状況に応じて、財産が使用できないことにしても構いません。また、ゲームマスターが認めるならば「調達」「回復」以外のターンアクションに対してプライズ「コネクション」と同様の効果を持たせても構いません。
シナリオ中で財産を使用したら、プライズとしての財産は失われます。
●コネクション
内容 シナリオの結果、特定の人物(NPC)やトライブとある程度深いつながりを持つことができたことをあらわします。獲得時にコネクションの対象を指定してください。同じ対象へのコネクションを複数所有することはできません。
プライズ効果 シナリオ中に1度だけ、使用を宣言することで、コネクションの対象から支援を受け、メインフェイズに行うターンアクションの判定のダイスを2回振り、良いほうを採用することができます。宣言はダイスを振る前に行う必要があります(マナによる振り直しや判定の援助とは異なります)。結果にかかわらず、使用はシナリオで1度だけです。ただし、ゲームマスターは、シナリオ内の状況に応じて、コネクションが使用できないことにしても構いません。
シナリオ中でコネクションを使用しても、プライズとしてのコネクションは失われません。ゲームマスターの判断で、シナリオ内の状況により、コネクションが失われることはありえます。
●絆
内容 シナリオにともに参加した仲間(PC)とある程度深いつながりを持つことができたことをあらわします。獲得時に絆の対象を指定してください。同じ対象への絆を複数所有することはできません。
プライズ効果 シナリオ開始時に、持ち込んだ絆の対象に感情を獲得します。シナリオ中に、同じ対象にさらに感情を獲得することも可能です。
この感情をシナリオ中で消費したとしても、絆は失われません。ゲームマスターの判断で、シナリオ内の状況により、絆が失われることはありえます。
●地位
内容 シナリオの結果、なんらかの地位や名誉、特定の立場を確立したことをあらわします。
プライズ効果 持ち込んだ地位は、ファクターとして扱います。6つ目以降のファクターとして使用できるということです。
ファクターとして扱うためシナリオ中1回しか使用できませんが、使用したとしても、プライズとしての地位は失われません。ゲームマスターの判断で、シナリオ内の状況により、地位が失われることはありえます。

 

ランダム経験表

作成時点で「高レベルのキャラクター」をつくりたいときや、NPCの経歴を考えるときに使える表を用意しました。あるキャラクターがどんな経験をして、現在、どのようなプライズを所有しているかを決める表になります。ダイスを振って決めてもいいですし、表から好きなものを選んでも構いません。

目安として、「メイガスとして1年程度の経験」を積むたびにこの表の結果を1つ獲得する、と考えてください。ただしあくまで目安ですので、大幅に変更し、わずか数日の経験でこの表数回ぶんの結果を得ることもあるでしょうし、数年に渡る経験で表1回ぶんの結果を得ることもあるでしょう。

この表は一時的に退場していたキャラクターが帰還した際の空白期間を決めたいときなどにも使用できます。

■ランダム経験表(6面ダイスを2個振る)
1つ目2つ目経験獲得プライズ
1 1 ストイックに己を鍛え続けた。 練度
2 鍛錬用の隠夜にこもって修行をした。 練度
3 強敵と戦って勝ち、成長した。 練度
4 重傷を負い、回復とともに新たな力を得た。 練度
5 オーパーツを入手したか強化した。 練度
6 激しい情動とともに新たな力に目覚めた。 練度
2 1 禁断の魔道書を手に入れた。 魔術知識
2 ナイトワンズの能力を取り込んだ。 魔術知識
3 メイガスの学校/研究機関で学んだ。 魔術知識
4 高名なメイガスの師に教えを受けた。 魔術知識
5 魔法文明の遺跡から古代の英知を得た。 魔術知識
6 魔法文明の記憶が甦った。 魔術知識
3 1 魔法文明の遺跡を訪ね、宝物を得た。 マジックアイテム
2 メイガスの商人から掘り出し物を買った。 マジックアイテム
3 依頼の報酬としてアイテムを得た。 マジックアイテム
4 夢で手に入れた品物が枕元にあった。 マジックアイテム
5 自らの研究の成果としてアイテムを完成させた。 マジックアイテム
6 倒したナイトワンズを加工してアイテムにした。 マジックアイテム
4 1 賞金がかかったナイトワンズを討ち取った。 財産
2 倒したナイトワンズの部位が売れた。 財産
3 富豪を救ったことで謝礼を得た。 財産
4 魔法を利用して大儲けした。 財産
5 魔法文明の遺跡で見つけた宝物を売った。 財産
6 メイガス活動はせず、仕事に打ち込んで稼いだ。 財産
5 1 ある国の王侯貴族と縁ができた。 コネクション
2 ある分野の専門家と縁ができた。 コネクション
3 著名な芸能人と縁ができた。 コネクション
4 ある店の常連になった。 コネクション
5 裏社会の組織と縁ができた。 コネクション
6 強力なメイガス組織と縁ができた。 コネクション
6 1 起業した・店を持った。 地位
2 自分のファン・信者が大勢できた。 地位
3 国家の中枢に関与する立場を得た。 地位
4 メイガス組織の指導的な地位についた。 地位
5 高名なメイガス一族から地位を相続した。 地位
6 ナイトゴーントと契約して権力を得た。 地位

※コネクションは特定のPCとの絆に変更しても構いません。

 

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